現在、地球上に存在する対人地雷の数は、7千万個とも1億個とも言われています。戦後の復興には安全な土地の保証が欠かせませんが、悪魔の兵器とも呼ばれる地雷が埋設されている土地では、戦争・紛争が終わっても、農業や交通のために土地を利用することができず、周辺住民が爆発事故に巻き込まれるケースが後を絶ちません。
土地を安全なものにする地雷除去作業では、危険を伴う人力作業が一般的です。現在も、各国の地雷除去作業員は、探針棒とシャベルを用い、手作業で地雷を掘り出しています。このような前時代的な作業手法によって地雷除去を続けていると、地球上のすべての地雷を除去するために1,000年もの時間がかかると言われていますし、作業中の事故による人的被害を避けられません。
そこで当社は、地雷除去作業を支援するロボット「DMR(Demining Robot)」の開発に取り組んでいます。DMRは、作業員が安全な場所から地雷原の掘削を行うためのロボットです。DMRを使うことにより、作業員の人的被害をゼロにすることができ、かつ地雷除去作業を迅速に行うことができます。当社はDMRを世界中の地雷埋設国・地雷除去実施組織に供給・販売し、長期にわたり続いていく地雷除去作業を、安全・かつ迅速なものに変えてまいります。
第1ステップ:「除草」地雷原に生い茂った草木を取り除く作業。
第2ステップ:「探査」金属探知機を用い、地雷原に埋まった地雷に含まれる金属を探査する作業。
第3ステップ: 「掘削・同定」探針棒とシャベルを用いて土を少しずつ掘り起こし、近接目視により地雷か金属デブリかを同定する作業。
第4ステップ:「爆破」地雷が発見された場合に地雷を爆破して処理を完了させる作業。
IOSは、危険が伴い、かつ作業時間の多くが割かれている第3ステップ「掘削・同定」のロボット化に取り組んでいます。